望遠鏡関連の部品製作は、アルミ材を主体に加工を行っ ています。
加工後に従来は塗装を行っていましたが、正確 な寸法が必要な場所や
細かい部分には着色アルマイトによる色付けを 行いたくなります。
また、アルマイト処理を行うと表面が硬くなるので、未処理よりも傷が
付きにくくなるメリットもあります。
従来は、専門メーカで加工をお願いしていましたが、部品点数が多い と

価格も問題になります。
アルマイト処理も何とか自分でできないものか と暫く考えていました が
ネット上でアルマイトキットの「レッツアルマ イト」を見つけました ので、早々に
入手し、自分で行うことにしました。
このキットで調剤されている電解液は特性も良 く、A2017系統も 問題なく
処理することができるので、今のところ大きな 失敗はありません。

ただ、薬品を使用して処理を行いますので、酸・アルカリの扱いを責任を持って
行える方以外は、真似をしないでね。


(1)これが処 理に必要な液 関係の準備状況です。                      
  左側から
   @電解槽
   A水洗槽
   B着色槽
   C水洗槽
   D封孔処理槽
   です。
電解液が床にこぼれないように、水洗槽と共に衣装ケースの中にセッティングします。

(2)まずは、前段取りとして、アルマイト 処理を行いう部品を吊るすために、アルミ 線を取り付けます。

(3)おっと、その前に手洗い 洗剤で加工時 に付着した油や切粉を洗い流しておきます。
(私は「キレイキレイ」で手洗いです)

・あまり強力な洗剤を使用すると、逆にアルカリ焼けとなり、ムラが発生する場合があり ます。
(マジックリン原液への漬け置きでは、部品が重なったところとでムラが発生しました)     
(4)続いて、部品を電解液の槽に吊るします。
(5)吊るし終わったら、電極と部品に電圧を掛けます。

(約13Vです、私の使用している電源は、電圧・電流リミッター調整が単独でできるタイプですので、電圧リミッ トを13Vに設定しています)

電圧を掛けて暫くすると、鉛板電極と部品から泡が出てきます、部品は細かい泡が付着しますが、泡を取ろうと揺 すって部品とアルミ線がズレると、電気が流れ なくなり、アルマイト処理の進行が停止→電解液で溶解となります。(泡がついても気にせず放置)

(6)泡が出て くることが確 認できたら、通電はOKですので、周囲に電解液のミスと(霧)が散るのを防止するためにキッチンタオルをかぶせ ておきます。

この状態で、40分アルマイト処理を行います。

処理中の電解液の温度には注意します。20℃〜25℃で管理します。
温度が高いと、激しく泡が発生します。
低温だと、アルマイトの進行が遅くなります。

管理といっも、アルマイト中は成り行きなので、スタート時に温度を20℃に整えます。
アルマイト中は、電解液を流れる電流により発熱しますので、徐々に温度は上昇していきます。
(7)40分アルマイト処理を行ったら電源を切り、すぐに部品を取り出し、水洗い(漬け洗 い)します。

まあ、慌てないでしっかり電解液を電解槽の上で切って(滴りが止むまで少し待って)水洗します。
これにより、水洗水中の電解液の濃度が上がるのを抑えます。

水温は室温(成り行きでOK)


(8)いよいよ、着色です。染料は所定の濃度に調整した後に、液温を50℃〜55℃の範囲 で、コンロの火加減を調整します。(温度 計をちょくちょく見ながら)

水洗した部品を、染料に漬けます。
温度をキープして、30分程度漬けておきます。


(9)30分程度漬け置きが終了したら、取り出して水洗します。

(写真は、電解上がりの水洗と同じですが、別の水洗槽で漬け洗いします)

槽の中でシャブシャブして、余計な染料が落ちればOKです。



(10)染料を定着(封じ込める)するための封孔処理を行います。これも、所定の濃度に液 を整え、90℃以上に温度を上げておきま す。(すっぱい匂いがします)

ぐらぐら煮えた状態で15分漬けておきます。

(11)封孔処理が終わったら、水洗します。

軽く水洗した後に、水道水で掛け流しで液を洗い流せば処理終了です。

(12)アルマイト処理(黒)が終了した部品

・・・染料の色を変えれば、同様に他の色もできます。

 
  (13)完成

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