副鏡の再製作    

前回製作した副鏡は、初製作ということでかなり妥協 したものでしたので、
再度製作することにしました。
再製作といっても、テスターはそのまま使用できますので、副鏡のみ再製作を行います。
 
 

まず、材料は副鏡材と共ずりする ための材料を用意して、通常通り凸作を行います。
テスターの曲率と正確に合わせないとフリンジテストができなくなるので、球面計でテスターと凹面の曲率が同じに なるように作業を進めます。
艶だしは、同径ピッチ盤でおこないました。(前回のもの)

この写真は、艶だしが完了した状態のテスターと副鏡とのフリンジテストです
。70%ゾーンあたりで曲率が一致しているよう です。(中央が凹んでいる:凹双曲面と凸球面)
フリンジは地図の等高線と同じです、フリンジの間隔は隙間としては1/2λですから、300nm程度の隙間で す。

凸双曲面への修正作業にとりかか ります。
今回は、ピッチ盤ではなく、研磨パットを使用して修正作業を行います

オーバルツールで出っ張り部分を均した状態です。
TOTにて、約20分作業。

研磨パットは、ベタ貼りでななく カットして目標の部分を削るようにしますので、狙う場所に応じて、パットの形状を考えます
今回使用したパターンはオーバルと銀杏型です。
(1)オーバルは特定ゾーンを凹ます。
(2)銀杏は、均等に凹ます。
で使い分けをしました。

二重のオーバル(上写真中央) で、同時に二つのゾーンを凹ましてみました。
結果的には、この作業は良くなかったと思います

(うねりの原因となった)
一応、狙いのゾーンは凹みました。
TOTにて、約15分作業。

さらに、同じツール(二重オーバ ル)で作業を継続。
中央が出べそになりました。

銀杏型で少し均しました。
(全体的に凹まして、周囲を良化させた)


引き続き、銀杏型ツールで作業、 大分均されてきました。
でも、中央の出べそは改善されないので、銀杏の葉の根元を太くした銀杏ツールに変更します。

大分、出べそが凹みました。
全体的に凹んでいるので、80%ゾーンあたりが出っ張ってきましたので、オーバルに変更して80%ゾーンを削り ます。

04/8/29の状態
ほぼ、フリンジが真っ直ぐになってきました。
細かいうねりはオーバルで取り除くのは難しそうです。
この先どうするか、やや行き詰まっている状況です。
これで、止めるか、うねりを取るか??

04/9/2の状態
8/29から、リングを色々作りながら作業をしたり、最後の方では、若干アスがでてきたので指先サイズのパット で部分修正したり(これは禁じ手
?)でやっと、ここまできました。
そろそろ、潮時かな?

写真下側が暗いのは、デジカメが写りこんだためです、右上の三角はマジックでつけたマーカです。

一作業(2分程度)するたびに、しっかり冷却してから測定しないと熱歪みで曲がったフリンジを読み取ることに なってしまいます。


04/9 /3の状態
9/2の状態は、中間から外周に向かって若干反りあがっている(周囲が高い)ので、わずかに修正しました。
今回は、これにて終了とします。

めっき手配の連絡も終わっているので、早速発送することにします。(2週間程度かかると思います)

蒸着装置が完成していれば、60分程度でめっきができるはず(めっき時間は数分?)なんですが...



 
ち なみに、前作のフリンジです。
前作よりは、かなり改善はしていますが


オー バルツールです。


二重オーバルです。

銀杏型ツールです。

研 磨パットを張り替えながら作業を行っています。
研磨パットは、薄手の両面テープで張っていますので、容易に剥がせますし、また張ることができるので重宝しま す。
慣らしも殆どなく、いきなり使用しても今回は、問題ありませんでした。
(中央:副鏡 右:ツール)


8/29
テスターと副鏡はちゃんと重ねると平行線になるのですが、少しずらすと球面ではないので、曲がったフリンジが出 ます。
フリンジの右側がテスタの鏡周部、左側が副鏡の鏡周部で、副鏡の鏡周がダウンしているのがわかります。


8/29
さらに、ずらすとこんなフリンジです。
まだ、左右対称にはなっていませんね。

HOMEに戻る  次 のページ