SiO2の蒸着テストを行います。


 
2016/5/6

アルミ蒸着の場合の膜厚管理は、覗き窓に蒸着される様子を見ていればある程度判断がつきますが、SiO2の蒸着で は、透明なので変化がわかりません。

よって、チャンバーの中に膜厚をリアルタイムでモニタリングできるセンサーを付ける必要があります。
一般的には、水晶式膜厚計を使用します。

原理は、水晶振動子が蒸着されると水晶振動子の周波数が変化することで膜厚をはかるというものです。
水晶振動子は消耗品なのでebayより調達しました。

センサーヘッドの中古の出物が出てこないため、自作することにしました。

まずは、A2017の丸棒からケースを削り出しました。

右にあるのが水晶振動子(6MHz)です。





 
水晶式膜厚計のテスト結果の前に、ア ルミ蒸着用フィラメントを大量入手しました。
入手元はebayで置き古しのフィラメントです。

前回使っていたフィラメントよりも太いです。

このフィラメントでは4V90Aで蒸着できました。
(上が今までのもの。下が今回大量入手したもの)






先日自作した水晶式膜厚計ヘッドを下側チャンバーの上部に取り付けました。

導入端子まで同軸で引っ張りたかったのですが、ヘッド側は水晶発振子のみで同軸ケーブルとのインピーダンスマッチン グの取り方が判らなかったので、同軸を長くすると水晶なしでも発信してしまうため静電容量の少ないツイスト線にしま した。

低温蒸着なので、ヘッドの水冷はしていません。


チャンバーの外側に水晶発振回路(ユニバーサル基 板)を取り付け、約6MHz信号をArduinoの周波数カウンタプログラムで発信周波数を表示させます。


今 回の水晶は、蒸着前の周波数が5.99323MHzでした。

今回のテストの目的は

1.蒸着によって周波数が変化するか
2.何回使用できるか

です。



い つも通り蒸着準備に入り、蒸着直前の圧力では5.99330MHzでしたが、蒸着完了時点では5.99003MHz となりました。蒸着途中で発信が停止することなく順調です。

この後、蒸着が何回で発信が不安定になるか確認を行います。

あと、今回プラズマ処理を飛ばしたので、プラズマ中にさらして問題ないかもいずれ確認します。

蒸着後のフィラメントです、一回使用では折れませんでした。



今回はプラズマ処理を飛ばしているので、セロハン テープのピールテストで剥がれました・・・

一応、プラズマ処理の効果も確認できました。

  

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