蒸着電極周りの製作を開始します。


 
蒸着フィラメントを加熱するための大 電流端子を作るために直径25mmの銅丸棒を調達しました。
今後、多目的に使えるように5端子にすることにしました。

何とか、電極の加工が完了したところです。
フランジ側にも、電極用の穴を明けました。


 
テフロンシートからワッシャをコンパ スカッターで切り抜きました。
シートは柔らかいので、簡単に切り抜くことができました。



 
製作したテフロンワッシャー、購入品のテフロンスリーブ、Oリングで銅端子を絶縁します。

Oリングはチャンバー内側に取り付けます。





電流導入端子の組み立てが完了したので、チャン バーに組み込み真空度の確認を行いました。
前回と同程度の3.8E−3Paまで到達したので、電流導入端子からのリークは問題なさそうです。

この後は、蒸着テストに入ります。
まだ、蒸着用フィラメントは調達していないので、TIG溶接用の純タングステン電極Φ1.2mmで代用してみます。

直流電源に直接タングステン電極を取り付けて、大気中で通電したところ85A程度で明るく赤熱して酸化が始まります。
電源は200Aまで通電できるので大丈夫そうです。

配線用のキャプタイヤケーブルを手配しているところなので、入手次第いよいよ蒸着テストです。
 
昨 日、手配していた38Sqのキャプタイヤケーブルが到着していました。

本日は会社終わってからホームセンターに出向いて丸端子を購入して、電流導入端子とインバータ直流電源との接続を行 い、その勢いで蒸着テストを行ってみました。

キャプタイヤケーブル(溶接用)は柔らかいので引き回しが楽です。


 
い よいよ蒸着テスト開始。
チャンバーは週末に本引きしてバルブ締め切りなので2E+2Pa程度からスタートです。スクロールを回して、TMP を動作させ20分くらいでいつもの3.8E-3Paまで到達しましたので蒸着開始です。

フィラメントはΦ1.2の純タングステン棒で、大気中のテストでは80A程度で赤熱開始していましたので、80Aか らスタート。

90A程度で明るいオレンジ色に加熱してタングステンに巻き付けたアルミ線がうねりだしました。

100A程度でアルミが溶け出して滴になり落ちそうになった時にタングステン棒を伝って横に一部流れました。
1/3程度は濡れて留まっているようなので、そのまま電流を上げていきます。

120Aまで上げると、相当明るいです、のぞき窓から見えるフィラメントを直視できません、眩しい・・・

そのまま、様子を見ていると、のぞき窓の1/3が蒸着されています。
ここで、フィラメントへの通電をオフ。



 
ど うやら、蒸着できたようです。
TMP停止させた後に、大気圧までリークさせて電流導入端子部分のフランジを外します。

実は中に百均で購入したガラスのコースターを仕込んでい ました。
コースターも蒸着されています。


 

これで、アルミは蒸着できることが確認できました。
ただ、ガラスもアルコールで拭き掃除したくらいでは密着度が不足しているようでティッシュでこすると、ほとんど落ち てしまいます。

最終的にはプラズマでクリーニングするれば、解決できるのではと考えています。
今回のテストで分かった問題は、電流導入端子が温かくなります。熱いという感じではなかったのですが、長時間通電で は熱くなる可能性もあり要チェックです。
(テフロンワッシャの連続使用温度は260℃なので大丈夫と思いますが・・・)

次は、プラズマクリーニング(イオンボンバート)に取り掛かります。


  

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